一戸建て住宅は何かあったら全て自分で対処しなければなりません。
その覚悟を頭の片隅に置いて生活していても、やはりその時はやってきます。
そして今回、大事な新築一戸建てすらも食いつぶす奴らの登場です(記事として)。
そう、シロアリです。
この記事はこんな方にオススメ
- 家の敷地内で羽アリを目撃した方
- シロアリ予防・駆除をしたい方
- これから家を建てる、購入しようと考えている方
目次
戸建住宅は建築資材として木材の使われることが多いため、どうしてもシロアリに狙われる危険性が高くなっています。
知らない間にシロアリに巣を作られると、大切な家が穴だらけに...なんてことも。
また、シロアリが難敵なのは、光や風を避けて活動するため目に触れる機会が無いこと、また数万匹という大群で押し寄せることです。
シロアリの巣の場所
シロアリ自体については言わずもがなですが、実はシロアリの巣には本巣と分巣があります。
本巣は通常土の中に作られるため、外から発見することはできません。
分巣の場合は、主に2つの場所に見られます。
1つ目は、家の柱の内側や天井裏など、木材に穴をあけて作ります。
2つ目は、光の当たらない場所に、土の塊のような蟻土(ぎど)と呼ばれる巣を作ります(右の写真)。
シロアリの巣の発見方法
シロアリの巣は以下の方法で見つけます。
1. 「蟻道」の発見
シロアリは太陽の光や乾燥を嫌うため、必ず薄暗い湿り気のある所を選んで通るようになります。
そのシロアリの通り道を「蟻道(ぎどう)」と言います(右の写真)。
蟻道はシロアリの粘液や排泄物などで作られますが、外から見ると明らかに不自然な土の盛り上がりがあり、それが1本の線のように繋がっているため、すぐに見分けがつきます。蟻道に沿って行くと、家の中に作られた巣を発見できます。
ただ、蟻道は壊さないように注意しましょう。一部だけを壊してシロアリがあるか確認するだけなら良いのですが、全て壊してしまうと被害範囲の調査に影響が出てしまいます。
2. 床下や天井裏を調査
シロアリは床下や天井裏など、人目につかない場所に巣を作るため、定期的にチェックするようにします。なお、湿り気を好む性質があることから、キッチンやバスルームの下も危険地域になります。
3. 羽アリのそばを探索
シロアリは巣の中にいる家族が多くなると別の場所に巣を作るため、子アリが巣別れを行います。この時に子アリは羽を生やしますが、羽の生えた子アリは「羽アリ」と呼ばれます。従って、羽アリを見つけた場合は、シロアリの巣がある証とも言えます。
羽アリの見つかった近辺をくまなく探すことが大切です。なお、羽アリは羽を広げると2cm程の大きさになるため、容易に確認できます。ちなみに、シロアリと羽アリは同じものですが、羽のあるアリがすべて羽アリとは限りません。羽を生やしたクロアリもいて、クロアリはシロアリにとっては天敵の存在です。
見分ける方法には以下の3つがあります。
① 触覚
シロアリの羽アリの触覚は短く、数珠のような形状をしています。一方、クロアリの羽アリの触覚は長く、くの字の形状です。
② 胴体のくびれ
シロアリの羽アリは寸胴型の胴体をしており、くびれがありません。クロアリの羽アリの胴体は腹の部分がくびれています。
③ 前と後ろの羽の大きさ
シロアリの羽アリは、羽の大きさがすべて同じです。クロアリの羽アリは、前2枚と後ろ2枚の羽の大きさが違います。ちなみに、シロアリの羽アリは目的の場所に着くと羽を落とします。
それでは、その他の違いも見てみましょう。
メモ
時期的には、ヤマトシロアリは4月中旬~5月中旬(主に昼間)、イエシロアリは6月~7月(夕方から夜間)に飛び回ります。これは羽アリの巣別れのためですが、羽アリが人目に触れるのはこの時です。しかし、シロアリは家に住み続けており、活動できる環境が整っているうちは常に被害が進行していると思ってください。
シロアリの予防と駆除方法
シロアリの予防と駆除には以下の方法があります。
1. 自分で定期的に点検する(予防)
予防の第一歩として以下のことを意識してください。
家の周りにシロアリの餌になるような木材を置かない
撤去できない場合は、市販のベイト剤などを使用してシロアリの発生を防ぐ
床下に不要な木材が落ちていないか、蟻道が出来ていないか確認する
2. 木材の防腐処理(予防)
シロアリは家の中にある木材を餌とするため、木材に防腐処理をしておくとシロアリが侵入しにくくなります。防腐剤は効能に有効期間がありますが、近年の防腐剤には5年程度効果を持続できるものもあります。ちなみに、スプレータイプのものを使うと簡単に塗布できます。
3. 土壌の強固処理(予防)
建物の下の土壌や建物の基礎部分に土壌処理剤を撒いて厚い層を作り、蟻道を作らせないようにすることが有効です。
4. ベイト剤の設置(予防/駆除)
シロアリの来そうな場所に、シロアリ専用の毒エサのベイト剤を設置します。ベイト剤を置いておくとシロアリの侵入を阻止、駆除できます。
5. シロアリ専門業者に相談する(予防/駆除)
予防・駆除する場合の商品をご紹介してきましたが、シロアリについては迷わず専門業者に相談した方が良いと思っています。仮に市販の駆除剤を使用して効果があっても、実は駆除しきれていなかったということも考えられます。専門業者は相談や調査、見積もりは無料なので、現状把握や対処法などが明確になり悩むストレスを軽減させてくれます。
メモ
竣工時にシロアリ予防工事をしている新築でも、その後のシロアリ予防は必要です。なぜなら、公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する薬剤の有効期限が5年間だからです。
まとめ
高額な代金を支払って獲得した戸建住宅をシロアリに食いつぶされては元も子もありません。できる限りシロアリが好みそうな環境を排除し、もしシロアリを見つけたら即座に対処するようにしましょう。
私は自分でベイト剤などを購入して予防するよりも、シロアリ専門業者に予防を依頼した方が安心して過ごせると思っています。なので今後5年ごとにシロアリ専門業者に予防処置を行ってもらうつもりです。
まずは、シロアリやモグラ、ゴキブリなどがいないか、庭の手入れをしつつ意識して確認することが大切ですね。